全日空社長にピーチ立ち上げのキーマン着任 ANAグループでトップ交代

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グループのトップ人事が発表された中で注目を集めた人物がいる。

2月10日に行われたANAホールディングスの社長交代会見。むしろ業界の注目を集めたのは2月14日の全日本空輸の会見だった(撮影:尾形文繁)

トップ交代の発表で業界の注目を集めたのは、持ち株会社ANAホールディングス(HD)よりも、事業会社・全日本空輸の社長人事だった。

4月1日付でANAHDの社長に就く取締役専務執行役員の芝田浩二氏(64)は、欧州室長やアジア戦略部長などを歴任した国際畑。2月10日の会見で片野坂真哉社長(66)は「コロナ危機を乗り切る経営戦略を担当しており、今後はリーダーシップを発揮して世界のリーディングエアライングループを目指す経営ビジョンを実現してくれる」と期待を寄せた。

2000年代、ANAHDの社長は5年前後で交代していた。だがコロナ禍に対応する中で、片野坂体制は長期化し、22年4月で就任8年目に入ろうとしていた。このタイミングでの交代について、「コロナは終わっていないが、22年度は確実に黒字化できる」(片野坂社長)としている。危機対応の一服が大きな要因だろう。 

一方、「気になるのは、ピーチを立ち上げた井上(慎一)さんの社長就任。どんな戦略を打ってくるのか」(国内航空会社関係者)と、にわかに戦々恐々としている関係者は少なくない。今回、ANAHDの社長交代と併せて、グループの中核事業会社である全日本空輸の新社長に、井上慎一専務(63)が就くことが発表されたからだ。

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