ENEOS巨額買収に漂う焦燥 再エネシフト出遅れ

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2000億円で再生可能エネルギー電力を買収。背景にはノウハウ不足。

本業である石油元売りの将来展望は明るくないが、近年のENEOSはそれに注力してきた

国内最大手の石油元売りは、総合エネルギー企業に生まれ変われるか。

ENEOSホールディングスは10月11日、再生可能エネルギー電力大手のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)を買収すると発表した。約2000億円もの巨額を投じて、米ゴールドマン・サックスグループ(GS)とシンガポール政府投資公社が間接保有する全株式を買い取る。

同日のオンライン会見で、事業子会社であるENEOSの井上啓太郎常務は「(JREの買収はENEOSの)事業構造を抜本的に変革する重要な契機になる」と、買収の意義を強調した。

JREはGSが2012年に設立し、太陽光や陸上風力による発電など、再エネ事業に取り組んできた。21年9月時点の再エネ発電の持ち分容量(建設中のものを含む)は約70.8万キロワットと、ENEOSの再エネの持ち分容量を上回る。

JREの株式売却は入札形式で行われた。この巨額の買収金額について、井上常務は「妥当な価格」とする。ただ、あるエネルギー業界関係者は「終盤まで大手自動車メーカーも興味を示していたが、割に合わないと判断したようだ」と語る。

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