茨城「自動運転バス」は地方の救世主になりうるか 人口2万の町が初導入、未来の交通に期待と課題

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高齢化が進みながら、公共交通機関の乏しい地方のカギを握る自動運転バス。まだ発展途上だが、思わぬ効果も出ている。

「道の駅さかい」を始点に、多目的施設「シンパシーホール」と高速バスターミナルを結ぶ2系統が運行中。病院や郵便局、銀行などの付近に停留所がある(記者撮影)

東京から高速道路で1時間半の距離に、鉄道の通っていない小さな町がある。茨城県境町。2万4000人の町民が暮らしている、いわゆる「鉄道空白地帯」だ。

そんな境町を、一風変わったバスが走る。水色と黄色の装飾が施された小ぶりのバスが、時速20キロメートルで住民を運んでいる。この11人乗りのバスには、運転席やハンドルがない。なんと自動運転で走っているのだ。

現在の法規制上、自動運転車であってもオペレーター(運転手)が1人乗務する必要があり、ゲーム機のコントローラーのような操作器がある。運用面でも、交差点や路上駐車などの障害物があった際などに、オペレーターが手動で操作する必要がある。とはいえ、道路を走っているときやバス停に止まるときなど、走行時間の大半はバスが自動で動く。

導入に向けて町長が自ら動いた

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