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陰の帝王こそ真の支配者 イランの選挙に意味なし

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イランで6月18日に行われた大統領選挙は同国が1979年に「イスラム共和国」となって以降、最大の茶番であり、イランの共和制にかつてないインパクトをもたらすおそれがある。

何しろ選挙に勝ったライシ師は、人道に対する犯罪で告発されている人物だ。ライシ師は約30年前に当時の最高指導者ホメイニ師の下で数千人もの反体制派を処刑したことで知られる。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは調査を求めているが、ライシ師は自らの行為はむしろ称賛されるべきだと、ディストピア小説も真っ青の主張で切り返した。

イランの最高指導部は司法府代表だったライシ師を大統領に据えるべく、ライバル候補の出馬を阻むなど全力で介入した。最高指導者ハメネイ師は投票を「宗教上の義務」と語り、選挙に抗議して白票を投じれば宗教上の罪になると宣告した。それでも当局発表によれば51%が棄権し、白票などの無効票も370万票に上った。このように冴えない数字に対してさえ、粉飾の疑いが浮上している。

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