電池投資に慎重姿勢貫くトヨタの真意 5年ぶり世界販売首位でも
好業績をたたき出すが、巨額の電池投資には慎重な構えだ。
新型コロナの収束が見通せない中、自動車業界は主要市場の旺盛な新車需要に支えられ、活況を呈する。筆頭は昨年、5年ぶりに世界販売首位に返り咲いたトヨタ自動車だ。
同社が8月4日に発表した2021年4〜6月期決算は、売上高が7兆9355億円(前年同期比72%増)、純利益が8978億円(前年同期の5.6倍)で、いずれもこの時期としては過去最高を記録した。
北米や中国、日本といった主要市場で販売が好調だった。トヨタはコロナ禍でも、SUV(スポーツ用多目的車)を軸に新型車種を計画どおり投入。加えて、半導体不足の影響を限定的にとどめることができた。
ただ、22年3月期の業績予想は、東南アジアのコロナ感染拡大や半導体不足、原材料高騰などを理由に据え置いた。売上高は30兆円(前期比10%増)、純利益は2兆3000億円(同2%増)を見込むが、足元の状況が続けば、過去最高だった18年3月期の純利益を超えそうだ。
コロナ危機からいち早く抜け出し、再び成長軌道に乗るトヨタ。今後は世界で進む脱炭素の流れにタイムリーな対応ができるかが焦点になる。トヨタは30年の世界販売で1000万台をもくろむが、そのうちEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)合わせて200万台、HV(ハイブリッド車)とプラグインHVで計600万台を見込む。
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