コロナが招くメンタル危機 医療従事者の重圧と苦悩
医療に従事する人たちの心の問題が深刻化している。支援が急務だ。
新型コロナウイルスの感染拡大がやまない中、病院職員の間でメンタル面の悪化が深刻さを増している。
地方自治体職員の労働組合である自治労(全日本自治団体労働組合)が公立病院で働く医療従事者に行った調査(2020年10月26日〜12月末)によると、コロナ患者と直接関わる職員の約2割にうつ症状の自覚があった。
北海道にあるコロナ患者を受け入れる病院で働く理学療法士の男性は、昨年11月下旬にうつ症状が現れ、通院するまでになった。症状が出る前、勤務する病院ではクラスター(集団感染)が発生。自宅には生まれたばかりの子どもがおり、家族への感染リスクを懸念し、ホテルで寝泊まりする日々が続いた。
医療従事者らが共通して抱くのは、自らが感染源になる恐怖だ。札幌市内の民間病院で働く看護師の女性は、「体調を自己管理するのは限界」と話す。女性が働くのは、呼吸器専門の内科病院だ。「(病院全体の)入院患者の8割が呼吸器系の重症患者。職員はコロナの検査をしてもらえないため、熱を測って自分で体調管理するしかない。自分がウイルスを持ち込んで患者に感染させたらと思うと不安でたまらない」。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら