帝国ホテル、半世紀ぶりの本館建て替え 将来に抱く危機感

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外資が次々攻勢。巨額投資による財務悪化懸念をどう払拭するか。

現在の本館は築50年以上。外資系の客室は50~60㎡と広く、刷新が課題だった

「コロナ禍でも、立ち止まることは『後退』を意味する。タワーと本館を順番に建て替え、従業員が働く場所は維持していく。新しい帝国ホテルをつくっていこう」──。

3月25日15時。帝国ホテルの定保英弥社長は、集まった従業員を前にこう語った。

帝国ホテルは同日、旗艦ホテル「帝国ホテル東京」を建て替えると発表した。2024年度に着手し、36年度の完了を予定する。事業費約2000億~2500億円に及ぶ大型プロジェクトだ。

現在の本館は3代目の建物で、築50年以上が経つ。老朽化が進み、筆頭株主の三井不動産とは、資本参加を受けた07年から建て替えを検討してきた。三井不は帝国ホテルなど9社と共同で内幸町周辺の開発も進める方針だ。

帝国ホテルは1890年、明治政府が国内外の賓客を迎える迎賓館として誕生。「ホテルオークラ(現The Okura Tokyo)」「ホテルニューオータニ」とともに高級ホテルの「御三家」と呼ばれ、ホテル業界を牽引してきた。

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