米欧などでは新型コロナウイルスワクチンの接種が加速しているが、それでもコロナ禍の終わりは見えない。先進国の自業自得だ。
以前からわかっていたことだが、あらゆる地域の人々が集団免疫を獲得するまでコロナの拡散は止まらない。いくつかの国が個別に集団免疫を達成するだけでは不十分だ。コロナが世界で流行している限り、ウイルスは変異し続けるからである。変異が繰り返されれば、そのうち一段と感染しやすく、致死率の高い変異株が出現する。これも以前からわかっていたことだ。
昨年12月以降だけでも、極めて感染力の高い変異株がすでに3つ見つかっている。欧米で急速に広がる英国型は、致死率の上昇も指摘される。南アフリカ型はさらに感染力が増したおそれがある。中でも危険視されているのがブラジル型だ。ブラジル型が発見されたマナウス市では、昨年10月までに住民の8割近くがコロナに感染していた。集団免疫達成の目安とされる6~7割を上回る水準だ。それでもマナウスはブラジル型の出現で再び大感染に見舞われた。この事実は、従来型の免疫が変異株に無力だったことを示唆する。
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