後発薬大手の日医工が不正 拡大至上主義が招いた歪み
大幅な成長の裏で製造不正が10年近く続いていた。
「現場に無理をさせすぎた。自社の成長スピードに対応できていなかったことが今回の件につながってしまい、深く反省している」
後発医薬品メーカーで国内最大手クラスの日医工が3月3日、製造や品質管理に問題があるとして、富山県からおよそ1カ月間の業務停止命令を受けた。同日の会見で同社の田村友一社長は冒頭のように陳謝。田村社長は3カ月間無報酬、副社長以下の役員3名も3カ月間の減俸処分となった。
同社では2020年4月以降、製品の自主回収が相次ぎ、これまでの回収品は75品目にも上る。一連の回収のきっかけは、富山県が20年2月に行った同社富山第一工場への事前通告なしの査察だ。
この抜き打ち査察によって、出荷試験で不適合となった製品は別のロットで再試験を行ったり、製品を再粉砕・再加工した後で試験を行ったりしていたことが判明。こうした、本来の手順として認められていない不正な対応が、11年ごろから10年近く続けられてきた。
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