有料会員限定

米中テック戦争の切り札は米国でなく欧州が握る GAFAにも影響、巨大テック企業の力をそぐ新たな世界標準

✎ 1〜 ✎ 583 ✎ 584 ✎ 585 ✎ 最新
拡大
縮小

欧州連合(EU)の行政執行機関・欧州委員会が、デジタル規制でまたしても新たな世界標準を打ち立てた。同委員会が先日明らかにした「デジタルサービス法(DSA)」と「デジタル市場法(DMA)」は、巨大テック企業の力をそぐことを狙いとしており、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)など米国を本拠地とする大手IT企業に幅広い影響を与える。

DMAは自社サービスの優遇を違法化するもの。一方のDSAはテック企業に対しアルゴリズムの開示のほか、ヘイトスピーチやデマといった有害コンテンツの削除という重い義務を課す。これらの対策により、デジタル経済の規制は欧州の枠を超えて大幅に強化されることになるだろう。

というのは、EUの規制は世界的なインパクトを持つことが多いからだ。「ブリュッセル・エフェクト(効果)」と呼ばれる現象である。EUは世界有数の市場であるため、大抵の多国籍企業は市場アクセスの必要経費としてEU規制を受け入れている。各地の規制に逐一対応するのも手間なので、グローバルな規制対応をEU基準に合わせている企業も多い。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内