
三菱パワーの河相健社長は「脱炭素化は逆風ではなく、ビジネスチャンス」と話す(撮影:梅谷秀司)
三菱重工業は9月、これまで日立製作所と合弁で運営していた火力発電事業を日立から完全に譲り受けた。事業会社の社名も「三菱日立パワーシステムズ」から「三菱パワー」に変更。三菱重工の完全子会社としてライバルのドイツ・シーメンスやアメリカ・GEとの競争の最前線に立つ。
三菱パワーは今後、三菱重工が力を入れるエネルギー関連事業の中核を担う。今後の事業をどう進めていくのか。三菱パワーの河相健社長に聞いた。
開発から製造まで、自社で手がける
――新型コロナウイルスが猛威を振るっています。ビジネスにどんな影響が出ていますか?
国内の工事に関してはさほど遅れはなかったが、国外では新型コロナが非常に流行している地域もあり、若干の遅れが出ている。また、定期検査などのメンテナンス工事は春にやるものを秋に延期するなどの対応をとった。
今回、相当苦労しながら遠隔で工事内容を指示するなどの対応を取ってきた。営業も、今までは現地の顧客と密着して受注の商談をしていたが、Webでの商談も意外にスムーズにできた。海外拠点の従業員や駐在員がよく頑張ってくれた。
――2020年度は受注量が減っています。
ガスタービンの需要は一時落ち込んだが、ここに来て市場は回復傾向にある2020年7~12月期のガスタービン市場の世界シェアは、1位を確保することができた。今後、石炭火力発電の新設は激減するが、サービス事業へのシフトとガスタービンの伸びで、事業規模をある程度確保できると考えている。
――三菱パワーがシェアを獲得できている背景には何があるのでしょうか。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
この記事の特集
トピックボードAD
有料会員限定記事
連載一覧
連載一覧はこちら