辺野古新基地建設問題が再び政争の具になろうとしている。〈自民党の石破茂元防衛相は(7月)2日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「これしかない、とにかく進めるということだけが解決策だとは思っていない」と述べ、辺野古新基地における米海兵隊の抑止力維持に高速輸送能力の確保を検討することで現行計画を検証したい考えを示した。安倍政権が繰り返す「辺野古が唯一」とする方針に疑義を呈した格好だ。さらに日米地位協定見直しにも前向きな姿勢を示した〉(7月2日付「琉球新報」電子版)。
次期首相候補として世論調査で石破氏の人気は高いが、自民党内の基盤は脆弱だ。石破氏はそのような状況で、辺野古新基地建設問題で安倍政権と差をつけることで、リベラル派へ支持を広げようとしているのだと思う。
ただし、石破氏が沖縄の民意に応えることのできる政治家であるか否かについては、慎重に見極める必要がある。2013年11月26日に自民党に所属する沖縄選出・出身の5人の国会議員を東京の自民党本部に呼びつけ、辺野古移設容認を強要したのは、当時、自民党幹事長だった石破氏だったからだ。
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