米国証券の手数料競争は最終局面へ チャールズ・シュワブの無料化で急展開

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昨年10月、米国ネット証券最大手のチャールズ・シュワブが、1975年の手数料自由化からストーリーが始まる創業者の自叙伝発表に合わせ、株式売買委託手数料などを無料にした。米国における手数料競争は、これを仕掛けた同社が幕引きも演出し、最終局面に入ったといえるだろう。

手数料の引き下げは大手に戦いを挑む新興企業の常套手段だ。近年は、2013年創業でスマートフォンなどのモバイル取引に特化したロビンフッドが、手数料無料を掲げて1000万口座を得た。

しかし、最大手の無料化は、業界水準を塗り替える。業界2位のTDアメリトレードや同3位のEトレードも、すかさずシュワブに追随した。

翌11月には、シュワブによるTDアメリトレード買収が発表された。TDアメリトレードは、株式売買委託手数料などと信用取引収益などで稼ぐ、ネット証券らしい収益構造となっている。この買収は、最大手による手数料無料化のインパクトがいかに大きかったかを示す象徴的な出来事であろう。

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