中国にとって2019年は建国70周年という節目だった。次のエポックは共産党大会が開かれる22年である。最高指導者(党総書記)である習近平国家主席がその座にとどまれるか否かが決まるタイミングだ。習政権にとってはこの時期に経済が安定していることが最優先で、20年はその通過点にすぎない。
世界の株式市場が米中貿易戦争に振り回されている中で、19年には中国の景気刺激策への期待が高まった。だが、中国側は米国との貿易戦争を、長引くほど自らに有利な「持久戦」と捉えており、ここで無理に成長率を引き上げるのは得策でないと考えている。
19年12月10日から12日まで開かれた中央経済工作会議では、20年の成長率目標を「6.0%前後」と決めたとみられる。「6〜6.5%」が目標だった19年の着地は6.1%程度になりそうだ。20年の成長率は5%台後半との見方が大勢である。
中国は習近平氏が総書記になった12年の党大会で、「20年のGDP(国内総生産)を10年比で倍増させる」との目標を掲げた。その目標を達成するには19年と20年の成長率を6.2%以上にせねばならず、景気対策が必須という観測もあった。だが、最近はそうした見方は影を潜めつつある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら