スキーリゾートとして、ニセコから「NISEKO」へと変貌を遂げた。一方で小さな町は開発に翻弄されている。
「レッドブル・ハウスはここです」。地元の不動産業者が指さす先にあるのは、大きく張り出した三角形の木造屋根が特徴的な邸宅だ。隈研吾氏が設計したという別荘は、エナジードリンク大手・レッドブルのタイ人創業家の所有だという。登記簿を確認してみると、所有者である法人の住所は確かに「タイ王国バンコク市」とあった。
別の不動産業者は、「(アリババ創業者の)ジャック・マーの別荘もある」と話す。現地に向かうと、全長30メートルはあろう豪邸が現れた。当然表札は掲げていないが、世界屈指の富豪の別荘であることは地元では公然の秘密だ。
遠い異国の話ではない。北海道での出来事である。
世界的リゾートの誕生
ニセコ──。今やこの地名が人口に膾炙(かいしゃ)しているのは、日本よりもむしろ海外かもしれない。札幌から西へ車で2時間、北海道倶知安(くっちゃん)町およびニセコ町の総称だ。両町合わせても約2万人程度の人口に対して、その14倍もの外国人観光客が世界中から訪れている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら