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天皇参拝を拒否された靖国、大きく変容する存在理由 天皇の参拝は1975年の昭和天皇が最後

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昨秋に天皇参拝を要請し、断られた靖国神社。戦没者慰霊のあり方も問われる。

終戦から74年を迎えた8月15日の靖国神社(時事通信フォト)

創建150年という記念すべき節目を6月末に迎えた靖国神社。その存在理由を問うことになる事実が明らかになった。

靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現在の上皇)に創建150年に合わせた参拝を求める極めて異例の宮内庁宛の「行幸請願」を、宮中祭祀を担う掌典職に行ったが、検討もされず断られていたという。

共同通信社が配信し、8月14日付の東京新聞朝刊などに掲載された記事によると、靖国神社は現在の天皇陛下には改めて要請しない方針で、過去に大正、昭和両天皇が参拝している創建50年、100年に続く重要な節目での参拝は行われない見通しだという。

天皇の参拝は創建から50年ごとの節目以外でも行われていたが、1975年の昭和天皇が最後となっている。78年のA級戦犯合祀が「不参拝」のきっかけとなったことが側近のメモなどで明らかになっている。

靖国神社の前身の東京招魂社は1869年6月29日に、戊辰戦争の官軍側戦没者を弔うという明治天皇の意向で造られ、戦没者の「慰霊、顕彰」を目的としているが、その行為の中心は天皇本人だ。靖国神社関係者には「天皇の社」という強い自負がある。そんな靖国神社にとって、不参拝が続き実現の見通しがまったく立たないことは、「天皇の社」ではなくなりかねない本質的な危機といえる。

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