アスクル社長にクビを宣告「支配株主」ヤフーの蛮行 株主総会の2週間前に社長の退陣を要求
牙をむいたヤフー。議決権を行使し資本の論理を押し通した。
株主総会(8月2日)の約2週間前に突如表面化した、筆頭株主ヤフーによるアスクル社長退陣要求。岩田彰一郎社長への「クビ宣告」についてヤフーは、低迷する業績を理由に挙げる。この「岩田降ろし」の火種がくすぶり始めたのは昨年後半からだった。
ロハコをめぐる綱引き
2018年11月、ヤフーからアスクルに派遣されている輿水宏哲取締役が、アスクルの吉岡晃BtoCカンパニーCOO(最高執行責任者)と玉井継尋CFO(最高財務責任者)にヤフーの意向を伝えた。
「LOHACO(以下ロハコ)をヤフー社の直営店にしたい」「価格設定と品ぞろえの判断はヤフー社が握りたい」「ヤフー51%、アスクル49%で小売新会社を設立しロハコを移管する」、そして「新会社においては岩田社長を役員に入れない」というもの。ロハコは、ヤフーとアスクルが12年から共同で進めている個人向けネット通販事業だ。
翌12月、ソフトバンクの宮内謙社長(ヤフー取締役を兼任)、榛葉淳副社長、ヤフーの川邊健太郎社長、小澤隆生常務(肩書は当時。アスクル社外取締役を兼任)らの協議結果を、輿水氏が再びアスクルに報告。それは、「ロハコをアスクルから分社化する方向でアスクルに申し入れる」というものだった。
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