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北陸新幹線延伸工事の難所、新北陸トンネル“粛々工法" 6工区に分けて同時並行で掘削

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切羽でのNATM工法による掘削だけは24時間体制だが工区全体の作業は休憩を入れて1日8~9時間の2シフト制。残業は月80時間が上限で長期休暇もある(撮影:山根一眞)

2023年春の開業に向けて、北陸新幹線の金沢(石川県)─敦賀(福井県)の延伸工事が進んでいる。東京から福井へは北陸新幹線利用の場合、金沢で在来線に乗り換える必要があり最短でも3時間25分かかるが、新幹線の延伸後は2時間53分と大幅短縮される。北陸新幹線の延伸は福井県にとって長年の悲願なのである。南越前町と敦賀市間の山岳地帯では、完成すれば鉄道トンネルでは日本で6番目の長さ、全長19.8キロメートルの「新北陸トンネル」が掘削工事中だ。

19年4月12日、筆者はその工事現場の1つ、葉原(はばら)工区の現場に入り、つぶさに見ることができた。その現場作業は拍子抜けするほど整然としていた。整備新幹線は鉄道・運輸機構(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が建設し、JRが運行する「上下分離方式」で整備、その費用は、機構からJRへの鉄道施設の貸与料(貸付料)が充てられ、残りは国が3分の2、地元自治体が3分の1を負担する仕組みだ。

そこでこのトンネル掘削工事について、鹿島・りんかい日産・石黒・高崎特定建設工事共同企業体・葉原JV工事事務所長の田中久人さん(鹿島)、発注元である鉄道・運輸機構の大阪支社・工事第四部長の古谷聡さん、同敦賀鉄道建設所長の柏木亮さんらに聞いた。

左・田中久人さん。1963年生まれ、新潟大学卒。右・古谷聡さん。74年生まれ、2018年4月から新北陸トンネル担当(撮影:山根事務所)
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