DMMの変身 従業員は4000人、異色IT企業を大解剖

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アダルトから出発し、種々雑多な事業への参入で膨張してきた謎多きIT企業はどこに向かうのか。

本誌:長瀧菜摘
写真:2017年に稼働した東京都港区六本木にある新オフィス。エントランスから一歩入ると、デジタルアートの世界が広がる

2018年度のグループ売上高は2114億円。社員数は4000人──。謎に包まれた巨大IT企業・DMM.comグループが今、転機を迎えている。

DMMの事業領域は主力のIT・ネット系を飛び出し、アニメ制作、就職・進学支援、水族館やサッカークラブチームの運営まで、約40に広がる(記事下図表)。オンライン英会話、オンラインサロンなど、ニッチながら業界トップを誇るサービスも増えている。

売上高の規模は、メッセンジャーアプリで国内断トツのLINE(2071億円、18年12月期)に匹敵。従業員数約4000人はサイバーエージェントとほぼ同等で、過去5年間で4倍以上に膨らんでいる。フリーマーケットアプリのメルカリが18年6月に上場して以降、DMMは国内最後にして最大のユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の非上場企業)といわれることもある。 

ただ当のDMMは、「上場はまったく考えていない」(会長兼CEOの亀山敬司)という。これだけ業容が拡大した現在も公にされている企業情報はわずかで、グループの実態はメディアに素顔を公開していない亀山同様、ベールに包まれたままだ。

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