工作機械の受注が急減速、頼みの欧米向けも下降へ このまま冬の時代に突入するおそれも
中国向けに加え欧米向けも減速。世界景気悪化の前触れか。
世界景気の悪化を示唆しているのか──。
日本工作機械工業会(日工会)は2019年2月の受注総額が前年同月比29%減の1097億円と、大幅に落ち込んだことを3月20日に発表した。直近2年で最低の水準である。
工作機械は、自動車やスマートフォンなど、さまざまな製品の部品を素材から加工する機械。料理でいえば、具材をさまざまな形状・大きさに切る包丁に等しく、製造業の川上工程に欠かせない。よって、工作機械の需要は企業の設備投資意欲の先行指標とされる。
受注高が落ち込んだ最大の要因は、米中貿易摩擦による中国向けの低迷だ。しかしここにきて、欧米向けまでもが勢いを失いつつあるという、「想定外」の事態が起きている。
空前の活況から一転
近年の工作機械業界は空前の活況を迎えていた。自動車やスマホ、半導体関連など、あらゆる業界から受注が殺到したからだ。
日工会が公表する国内メーカーの年間受注高は17年、18年と連続して過去最高を更新。18年は史上初めて1兆8000億円を突破した。
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