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炭素繊維の新技術で攻勢 帝人が東レ独走に“待った“

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炭素繊維を用いた先端素材で新たな技術が台頭。それを武器に帝人が、王者・東レの牙城を崩そうと攻勢をかける。

本誌:渡辺清治
米GMの戦略車種に帝人の技術が採用された。写真は発表会風景

米国最大の自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)が今年秋に販売を開始するピックアップトラック「GMCシエラ」の新型モデル。3月初旬にデトロイトで開かれた発表会で注目を集めたのは、軽くて強い先端軽量素材として知られる炭素繊維の複合材を採用したことだった。

ピックアップトラックは米国の農家や郊外居住者に人気が高く、「シエラ」シリーズは全米で年間20万台近い販売台数を誇る戦略車種。GMはその最上位モデル「シエラ・デナリ」のオプションとして、ボックスベッドと呼ばれる荷台部分の床・側面に業界で初めて炭素繊維を用いた。

荷台の床・側面に帝人の複合材を使用(GM公表図を本誌が簡略化)

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大型車のピックアップトラックはガソリン消費量が多く、環境規制などで大幅な燃費低減を迫られている。炭素繊維を採用した荷台の重量は鉄製だった前モデルよりも25%軽い。素材自体の先進性も大きな売りで、GMは「カーボン製ボックスベッドはへこみにくく、傷のつきにくさや耐腐食性でもクラス最高レベルを実現した」と大々的にアピールしている。

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