権力闘争への序曲 イラン・反政府デモ
昨年末から今年初めにかけて、中東の大国イランで異例のデモが起こった。背景には長引く経済不振や格差への不満があるとみられている。
2017年末から18年の初めにかけてイラン全土の各都市で大規模な反政府暴動が発生した。25人もの死亡者を出し、当局が400人を拘束し、とりあえず治安を回復した。
なぜ、この騒動が起きたのか。この騒動はイランの将来にどのような意味を持つのだろうか。
騒動の発端はイラン北東部の都市マシャドであった。当初は小規模なデモであったものが、全国規模の騒動に発展したのはなぜだろうか。そして、そもそもなぜマシャドでデモが起こったのだろうか。
この騒動を、イランの最高指導者のハメネイ師は外国の陰謀だと主張している。米国やイスラエルなど、イランの敵が操った騒動なのだという。しかし、今のところ具体的な証拠は示されていない。
アフマドネジャド前大統領が民衆をそそのかしたとの議論も一部では展開されている。しかし、これも奇妙である。アフマドネジャド氏への支持が強いのは首都テヘランである。大統領就任前、アフマドネジャド氏はテヘラン市長だったからだ。首都の市長としての約3年間の実績を踏まえ、05年の大統領選挙で当選した。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら