エルサレムを首都認定 トランプ大統領の真意 激動する中東情勢
国際社会の大きな反発を呼んだ突然の認定。トランプ大統領はなぜいま決断したのか。
エルサレムをイスラエルの首都と認めるトランプ米大統領の決断が、世を騒がせている。なぜ、このタイミングなのだろうか。この点に絞って論じたい。なぜならこのタイミングこそが、その理由を理解するカギだからだ。
エルサレムには3宗教の聖地がある。ユダヤ教の「嘆きの壁」、キリスト教の「聖墳墓教会」、イスラム教の「岩のドーム」だ。それゆえ3宗教の信徒にとって、エルサレムは心のふるさとのようなものだ。
1948年にイスラエルが成立し、エルサレムを首都と宣言した。しかし国際社会は首都として認めず、主要各国は大使館をテルアビブに置いた。80年、イスラエルは東西に分かれていたエルサレムの統一を宣言したが、国際社会はそれも認めていない。
米国議会は95年、エルサレムをイスラエルの首都として承認し、同国大使館をエルサレムに移転するように求める法案を可決した。だがこの法には、「抜け穴」があった。大統領には安全保障上の必要があれば、法の実施を半年延期できる権限が付与されていた。この権限によって、これまでその実施が先送りされてきた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら