攻めに転じたパナソニック 車載電池で韓国勢と再戦
成長への種まきを急ぐパナソニックだが、プラズマの苦い思い出もよぎる。
パナソニックが攻めに打って出ている。2016年度の設備投資は前年度に比べ1000億円ほど増え、3450億円程度に拡大した(図表1)。津賀一宏社長は12年の就任以来、設備投資を抑制してきたが、ここにきて成長への種まきを急いでいる。
5月11日に発表される16年度決算は5期ぶりの営業減益になる見通し。もっともこれは、想定されていた内容だ。会社は期初から16年度は工場新設など先行投資の年だと位置づけていた。
ただ先行投資期間はそう長く想定してはいない。中期経営計画では、18年度に営業利益5000億円を目標に掲げる。2650億円という16年度の見込みから考えると、2年で倍近く利益を増やすことになる。目標達成には拡大した設備投資を早期に利益化することが不可欠だ。
パナソニックは津賀社長の下、車載機器や航空、食品流通向けなどB to Bに重きを置く戦略に転換してきた。とりわけカーナビやリチウムイオン電池、センサーなど車載事業を成長分野としている。15年に1.3兆円だった同事業売上高を、18年度に2兆円まで拡大させる方針。中でも期待が大きいのが車載電池だ。16年度の設備投資でも、車載電池の生産設備への投資が大部分を占めている。
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