カカクコム 優良児のつまづき 口コミビジネスに異変
上場来初の業績下方修正で株価は低迷。新たなライバルの台頭もあり、高収益企業が転機を迎えている。
[記事のポイント]
(1)価格.comや食べログなどの口コミサイトを運営するカカクコムは、営業利益率が50%に迫る超高収益企業として知られている。
(2)そのカカクコムが2017年3月期の業績予想を上場来初めて下方修正した。口コミサイトはビジネスモデルの転機を迎えている。
(3)カカクコムが直面している課題は、「炎上」への対応、「レッティ」など新興ライバルとの競争、第3の収益柱となる事業の育成だ。
新しい家電を買う、引っ越しをする、飲食店や美容室を予約する……。生活のあらゆる場面の情報収集で当たり前に活用されるようになった口コミ・比較サイト。そのビジネスを取り巻く環境に“異変”が生じている。
兆候は今年2月、口コミビジネスで成長を遂げてきたインターネット企業・カカクコムの決算に現れた。同社は2017年3月期の第3四半期決算発表時に、通期の業績予想を下方修正したのだ(図表1)。
営業利益率はなおも50%に迫り、業界の中でも“超”がつく優良児であることに変わりはない。が、03年の上場以来初となる下方修正と成長鈍化の兆しに市場が強く反応。修正発表後、カカクコムの株価は約30%下落し、現在も低水準のままだ。
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