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キヤノンの「脱」本業 相次ぐ巨額買収で変身図る

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「カメラとプリンタの会社」からの脱却を図るキヤノン。1兆円超もの巨額買収を行った背景には、御手洗会長の危機感がある。

(本誌:遠山綾乃、渡辺拓未)写真:展示会ではカメラとレンズが並び、多くの愛好家がブースに集まる。だが市場全体を取り巻く環境は厳しい

「カメラも事務機も成長力を失ってしまった。ポートフォリオを変えていかなければならない」。キヤノンのトップを22年務める御手洗冨士夫会長は本誌の取材で危機感をあらわにした。

危機感の象徴が、6600億円という巨額資金を投じた東芝メディカルシステムズ買収だ。キヤノンにとって過去最大の買収案件で、昨年末に買収が完了した。

現状、キヤノンの利益のほぼすべてはカメラと事務機という二つの本業が稼ぎ出している。だが、これらを取り巻く環境は厳しい。2007年まで右肩上がりで続いていた成長は翌年のリーマンショックで一変。その後は足踏みが続いており、利益率も低下傾向にある(図表1)。

[図表1]
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特に、最大の利益柱である事務機(複写機やプリンタ)は、07年に3兆円目前まで部門売上高を伸ばしたが、今や2兆円を割り込んでいる。部門営業利益率も、06年に22.3%をたたき出したが、今は半分以下に落ち込んでいる(図表2)。

[図表2]
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09年に部門の定義を変えたので単純比較はできないものの、リーマンショック後の回復が鈍い。先進国は需要が飽和状態となり、価格競争が激しい。新興国は、市場は拡大しているものの、タブレットが普及。先進国が踏んできた、紙にプリンタで印刷するというステップが飛ばされつつあり、先進国の落ち込みをカバーするほどの勢いはない。

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