三菱重工揺るがす MRJ5度の延期 事業として成立するかも危うい
5度目の納入延期を余儀なくされた半世紀ぶりの国産旅客機MRJ。米国市場の環境変化や協力会解散などで、事業として成立するか危うくなってきた。
三菱重工業が開発する小型ジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)。5度の納入延期で、開発は異例の10年目に突入した。開発費は増え続け、後から開発された海外のライバル機との差はゼロに近い。それでも三菱重工は「完成機事業を長期的視点で育てる」(宮永俊一社長)と、高い「授業料」を払ってでも航空機事業への挑戦を続ける覚悟だ。半世紀ぶりの国産旅客機には国民的な期待が掛かり、さらなる遅れは許されない。
「初めからここまでできていればよかった」。1月23日、東京・港区の三菱重工本社。MRJの納入延期会見で宮永社長は悔しげな表情を浮かべた。宮永社長が悔やむのは、開発現場全体を引っ張るリーダーの不在と日本人技術者の知見不足という、組織的な課題だ。
2008年に開発が始まったMRJ。当初は13年の納入開始を予定していたが、09年に主翼の材料変更などで納期を数カ月延期。その後も延期を繰り返し、その回数は計5度に及ぶ。現在は「20年半ば」が納入目標だ(図表1、2)。
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