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サムスン非常事態、問われる3代目の真価 スマホ発火、洗濯機リコール、検察の家宅捜索

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主力スマホの発火事故や洗濯機のリコール、韓国検察による家宅捜索など、サムスンが危機に瀕している。指揮を執って2年半の御曹司はこの難局を乗り切ることができるか。

(本誌:田嶌ななみ)

[ポイント1]
スマホ事業は2013年に事業営業利益約2兆円をたたき出したが、15年はそこから6割減。復活を期した新機種が発火事故を起こし、危機を迎えている。

[ポイント2]
洗濯機リコールや検察の家宅捜索が追い打ちをかける中、入院が続くイ・ゴンヒ会長の長男イ・ジェヨン氏が10月に正式に取締役に就任。問題収束にあたる。

[ポイント3]
ソフトウエア開発や新規事業は冴えず、利益は半導体頼みの状況。そんな中、目下の期待はバイオ医薬品で、11月10日には受託生産事業会社を上場した。

 

11月初旬、サムスン電子(以下、サムスン)の事務所や研究所が広がる水原(スウォン)の空は雲に覆われ、同社が二重三重の混乱に直面していることがウソであるかのように静かだった。

同社のスマートフォン「Galaxy Note7」の電池が発火する事故が世界各地で報告され始めたのは今年8月。販売を一時中断し、再発売した後も発火事故が報告され続けたため、10月に生産終了を余儀なくされた。2カ月間で販売した306万台のうち発火報告があったのは336台。確率にして約0.01%だが、代償は大きかった。Note7の回収費用や購入者への補償費用に加え、計画していた利益がゼロになることで営業利益へのダメージは約6000億円に上る。

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