セブン&アイが巨額減損で閉店ラッシュに号砲 井阪新体制で10年前のウミをようやく清算
10年前の買収をようやく“清算”。それでも事業再建は容易ではない。
9月30日の午後8時すぎ。千葉県のJR柏駅前にある、そごう柏店の前には約1万人の人だかりができていた。
「そごう柏店は1973年10月、『緑の街にお城のような百貨店』というキャッチフレーズでオープンしました。地域の皆様のご支援をいただき、今日まで営業を継続してきました。43年間、ご愛顧まことにありがとうございました」。浮橋和美店長の声が響く。集まった客からは大きな拍手とともに、「ありがとう」という声が相次いだ。
閉店に立ち会った40代の女性客は「街のシンボルがなくなるのは寂しい」と前置きしつつ、「最近は流山おおたかの森S・Cやイオンモール柏に行く頻度が高まり、そごうに行くことは減っていた」と話す。閉店跡の一部にはディスカウンター大手のドン・キホーテが入るともうわさされているが、詳細は未定だ。
百貨店で巨額減損
この閉店セレモニーのわずか5時間前、そごう・西武を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングス(HD)は2017年2月期業績見通しを下方修正した。営業利益は従来予想比6.9%減の3530億円(図表1、前期は3523億円)と大きな修正ではないが、最終利益は従来予想から半減以下の800億円となる見込みだ(同1609億円)。
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