次は産業用印刷で稼げ 自社開発とM&Aで攻める
ブラザー工業は2015年、約1932億円を投じて英国の産業用印刷企業であるドミノ・プリンティング・サイエンス社(ドミノ)を買収。そして今年7月、今度は自社開発のレーザーマーカーである「LM-2500」を発売した(下写真)。産業用印刷分野に本格進出する布石だ。
ドミノはPETボトルや食品の包装に賞味期限やロット番号を印字する「コーディング・マーキング」と呼ばれる分野で世界的に展開している企業である。16年度の業績は売上高約614億円、営業利益約40億円と見込んでいる。
LM-2500は、電子機器や自動車部品など金属加工業界向け、ギフトやノベルティなどの多品種少量印刷に適した印刷機器で、この分野では初の自社製品となる。
「何にでも印刷したい」と言う小池利和社長の野心である。それに沿って照準を定めたのが、産業用印刷分野だった。同社にとってこの分野は、次の成長の牽引役になるはずだ。「オフィス用プリント市場は、今後も現状維持が精いっぱい。磨いてきた技術を産業用印刷で生かしたい」と担当の佐々木一郎・常務執行役員は話す。
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