女性美容室にも「格安」「時短」の流れが広がってきた。ドラッグストアで購入したヘアカラーの持ち込みも可。鮮魚店出身の社長が率いる美容業界の新星は独自手法で急成長中である。
平日、午後6時。神奈川県の駅直結型ショッピングモールにある美容室は、入り口のいすに複数人が座って待つほど盛況だった。休日には開店前に行列ができるほど混み合うことも珍しくない。
オレンジ色のドレスコードで合わせた店員たちは、10分間にセットされたストップウォッチを気にしつつ、驚くべき手際のよさで作業を進めていく。
11分で1500円の手軽さが最大の売り
カットが10分、スタイリングが1分で計11分の施術。神奈川県を地盤として、関東と関西中心に183店(5月末時点)展開する美容室「11cut(イレブンカット)」。11分で1500円(税抜き、以下同)という手軽さが最大の売りだ。
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客層は6割が女性。それも、子どもを持つ忙しい30〜40代の主婦がメインターゲットだ。看板やメニューは赤、タオルやケープはすべてピンクでそろえている。店が女性向けであることを強調するためだ。子どもを抱きながら来店する客も多い。「15分以内なら、3歳の娘でも機嫌を損ねないうちに帰れる」と30代の女性客は話す。女性客の子どもや夫など家族ぐるみで利用する例も珍しくない。
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