「3B」という言葉をご存じだろうか。女性が付き合ってはダメな男性。「バンドマン」「バーテンダー」、そして「美容師」である。美容師がダメな理由は、「稼げない」「休めない」「長く働けない」という、あまりにきつい労働環境にある。2015年度の美容師の平均月収(正社員)は、23.2万円。全職種の平均は30.4万円だから、7万円近く安い。ボーナスに至っては、年間で6万円である。
長時間労働も当たり前だ。所定内実労働時間(就業規則の中で決められた労働時間)は1カ月当たり174時間という長さである。長時間労働のイメージが強いプログラマーでさえ160時間なので、これをはるかに上回る水準となる。
さらに「職人」としての美容師のあり方が、サービス残業と修業の境目をあいまいにする。照明の消えた深夜の美容室で、マネキン相手に練習をしている美容師を見たことはないだろうか。「業界で5%に満たない大手でさえ、残業代の未払いが蔓延している」(首都圏美容師ユニオンの山田真吾事務局長)。
修業を積んでも、30〜40歳で独立できなければ、立場は厳しくなる。美を扱う仕事ゆえに若さは重要で、美容師は年齢を重ねるにつれ第一線で働き続けるのが難しくなる。
業界の平均年齢は30.2歳。「独立できずに、アパレルや工場など、違う業界に転職する人も多い。男性の場合は40代以上の美容師が6%というデータもある」(エム・ワイ・ケーの沖口将子採用教育課課長)。そのため、今や美容専門学校で免許を取得した人のうち、約7割は新卒時に美容師になることを選ばない。
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