トランプの危険な賭け 保護貿易主義は自らの足をすくう

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ドナルド・トランプ候補がトランプ大統領となった暁には、彼が言うように貿易問題に対して見境なく行動するのであろうか。あるいは、「中国製品へ一律45%の輸入関税をかける」「フォード・モーターのような米国企業がメキシコで生産した製品には35%を課税する」というのははったりなのだろうか。誰にもそれはわからないが、おそらくトランプ氏自身もわからないのだろう。

トランプ氏が仮に大統領に就けば、米国法の下で脅しをかける権力を有する。もしそのようなことをすれば米国経済に被害を与え、おそらく景気後退を招くが、日本、韓国、タイ、台湾などといった米国の友好国・同盟国のほうがもっとダメージが大きいだろう。

高関税政策は税金と同義だ

トランプ氏がもし11月の米大統領選本選に敗れたとしても、危険な変革が生まれる可能性はある。戦後の米国で、完全な保護貿易主義者が大統領に指名されたことはなかった。多くの共和党員はトランプ氏の大勝利を見通して、予備選において負けることを恐れスタンスを変えるだろう。

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