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タクシー業界の独占打破 上海に「共有経済」の潮流

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中国では、配車サービスなどのシェアリングエコノミーが日本より普及している。政府にはこの動きを使って業界の既得権益を打破する思惑も。

中国の大都市で配車サービスはすでに生活者の足として定着(写真は上海の「滴滴快的」の乗り場)(ロイター/アフロ)

配車サービスのUberや宿泊施設の貸し借り用サイトのAirbnbなどシェアリングエコノミー(共有型経済)が注目を集める中、上海市は中国で初めてマイカーを活用した個人のハイヤー営業(「専車サービス」)を合法化した。タクシー業界は猛反発しており、既得権益との攻防が焦点になりそうだ。

「専車」とは、特定の企業や個人専用の車という意味で、客が必要なときに予約して使う専用車を指す。タクシーよりも高級な車両で、派手な塗装や会社のロゴマークなどもなく、社有車のような感覚で使える。

シェアリングエコノミーの代表格と目されるUberが正式に中国に参入したのは2014年7月。当初、主に企業を対象に運転手付きレンタカーを派遣していた会社などに働きかけ、Uberの配車アプリを通じて客を集める手法を取った。

さらにUberは米国型のモデルを中国でも導入、高級車を保有している個人がマイカーを使って好きな時間に専車サービスを提供する形態もスタートした。筆者が上海でUberを利用するごとに運転手に聞いた範囲では、レンタカー会社の車両と個人保有の比率は半々ぐらいか。中には習近平政権の「ぜいたく禁止令」で役所から放出された中古のベンツEクラスを格安で入手して商売を始めたという人もいた。

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