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戦後70年のデモクラシー 政権交代より立憲主義に共感

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安保法制の強行採決に抗議する野党議員。自民党以外に政権の担い手がいない現実を変えられるか(7月15日、衆議院特別委員会)(時事)

安倍晋三首相は政権復帰以来の株価と支持率の上昇に支えられ、無人の野を行くがごとく、政策目標を実現してきた。しかし安保法制への反対論が高まる中で戦後70年の終戦の日を迎え、さまざまな制約下で政権を運営させられていることを実感しているに違いない。

一つの制約は、国際世論である。当初、安倍首相は自らの歴史観を盛り込んだ戦後70年談話を出すことに強い意欲を示していた。しかし、侵略や植民地支配を否定する右派的な歴史観は、アジアのみならず欧米からも受け入れられないことが明らかであった。日本が国際社会の中で生きていくためには、首相が唯我独尊の歴史観を公表してはならない。安倍談話は首相個人の思いからは懸け離れたものとなり、長々しい文章ゆえにメッセージ性は薄くなった。

首相は日本の次の世代に戦争について謝罪し続ける宿命を負わせたくないと、首相らしい表現を使った。侵略や女性の権利などに言及したことへの悔しさをここで晴らそうとしたのだろう。首相やその取り巻きの右派政治家が侵略を否定し、植民地支配を正当化するかぎり、次の世代の日本人はアジアの国民に謝罪を続けざるをえない。この構図を首相は理解しているのだろうか。

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