急転直下で緊迫した状況が続くギリシャ危機。なぜここまで深刻化したのか。歴史的な視点も踏まえて読み解く。
突然ブチ上げた国民投票で大差となる「緊縮反対」票を勝ち取り、欧州連合(EU)など債権団を再び支援交渉のテーブルに着かせたギリシャのチプラス首相。
しかし7月7日夜、ベルギー・ブリュッセルで開かれた緊急のユーロ圏首脳会議では、「今週末が明確なデッドラインだ」とEUのトゥスク大統領が表明。ユンケル欧州委員長も「われわれにはギリシャのユーロ離脱に関する詳細なシナリオがある」と語り、ギリシャは崖っ縁に追い詰められた。
チプラス政権による財政改革の新提案を基に協議される7月12日のEU首脳会議の結果次第では、ギリシャは資金繰り破綻やユーロ離脱が決定的になる可能性がある。
戦争賠償のドイツと現在のギリシャの共通点
こうした緊迫した欧州情勢の先行きをどのように展望したらよいのか。これを見るとき、欠かせないのは歴史的な視点だ。実は現在のギリシャは、第1次世界大戦後の敗戦国・ドイツと類比することで、その本質を読み解いていくことができる。
公務員天国の放漫財政や脱税、汚職を繰り返し、揚げ句の果てには粉飾財政の発覚で債務危機を招いたギリシャ。この自業自得に関して世界の人々はまったく同情していない。
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