「高校1年生」宇宙ベンチャーの門をたたいた訳 異業種出身CEO「今の勉強は宇宙に生かせる」
要するにそれは、経済領域であって、いろんな産業がそこで活動できるんですよね。だから 冒頭言ったように、われわれは輸送サービスだし、他の会社は通信サービスだし、別の会社は、もしかしたら産業廃棄物の処理業者かもしれないしっていう。
いろいろ地上である産業が、宇宙空間に入り込めるはずなんで、そういうあらゆる産業の人たちが、自分たちが宇宙空間で何するんだっていう視点で入ってこられる、それぞれの産業の中で、ビジネスデベロップメントできる人たちっていうのが必要なんじゃないかなと。
ITで勝ち負けが決まってしまった

丸山 現状、日本の技術力とか、そういう人材とかを投入して、世界と勝負していくというか、日本をもし発展させる可能性があるとしたら、やっぱり宇宙を開発していく産業だと僕は思ってるんですね。
島国であること自体が、そんなにデメリットにならなくなってくるっていうのは、この先、ものすごく大きなメリットだと思ってます。
そういう意味では、いろんな人材とか分野の話を聞きましたけど、いろんな人が入ってきて、実際、広げていくと思うんですけど、日本の今の競争力っていうのは、眞鍋さんから見るとどうですか? 世界というか他国と比べて、どのあたりにあると思いますか?
眞鍋 経営資源ベースで比較すると、人・物・金・情報というのがあって、あとそれにプラスで法律ってのがあるんですけど、やっぱりお金の面では絶対に勝てないですね。どう考えてもITで勝ち負け決まっちゃったっていうのもあって、お金で勝とうとしても勝てないんで。
ただ、技術力、モノに対する技術力は、あとはそれぞれの人々の性格もあるんだと思うんですけど、やっぱり日本の技術力はそうとう高いと思うし、きめ細かい技術が至る所に見えて、例えば、本当に部品1個ずつ取っても、すごく精度が高い部品なんですよね。
「技術の横展開」に勝機
眞鍋 じゃあ、モノとしては引けを取ってないと、でもお金がないよねってなったときに、じゃあどうやって戦うんだろうっていったら、やっぱりチーム、いろんなスポーツの世界でも言われてますけど、日本の強みってチーム力だと思ってて。
われわれ自身が、川崎重工さんとかIHIグループさんとかと付き合ってるのも、やっぱりそれぞれ単体では勝てないけど、それぞれの強みを生かしたチーム戦にすれば、十分勝てる可能性があって、しかも、まぁそれもお金に関して言うと、さっき言ったように、部品レベルで技術力が高いってことは、その部品自体も横展開で売れるんですよね。
SPACE WALKERは、去年からタンクの製造販売事業も始めてるんですけど。ロケットで生まれた世界トップレベルの軽量のタンク、それから世界がまだどこも実現できてないマイナス200度とかに対応する、極低温の液体用のタンクの開発もやってて、特許も取ってるんですけど、そういう技術を、例えば今、地上で困っている水素社会に向けた水素ガスの貯蔵タンクとか、液体水素を貯蔵するタンクとか、そういったところにも横展開できる。