日本人がイグ・ノーベル「連続受賞」の深い理由 雄が雌で雌が雄の虫から学ぶジェンダー教育
chapter.02より抜粋
イグ・ノーベル賞の魅力
古澤 1つの例としては、2017年に北海道大学の吉澤和徳先生らが生物学賞を受賞した研究で、ブラジルの洞窟で、全長が1ミリ2ミリぐらいのチャタテムシといわれる 昆虫の新種を発見した。 そのトリカヘチャタテといわれるチャタテムシは、男性器と女性器がオスとメスで入れ違いになっている。
これで考えると、オスがメスでメスがオス、男が女で女が男とかってなるが、よくよく考えると、男性と女性を規定してるのって何なんだろうって。体の特徴なのか、ジェンダーといった社会的な特徴なのか。
もちろん吉澤先生たちは、ジェンダーの話がしたくてそういう研究をしたわけではないが、ただ、僕たちがその話を聞いたときに、エッとかクスッてなっちゃったりした後に、でもそうだよね。オスとメスってどうやって決まるんだろうっていうことを考えるようなきっかけになるところ。そういった研究がわかりやすい例かなと思う。
イグ・ノーベルは社会風刺が結構ある。2020年の場合は、新型コロナウイルス感染症に関し、「この政策はどうなのか」といった各国首脳に対して、痛烈な批判を込めた賞が与えられていたりとか。
イグ・ノーベル賞の授賞式は、ハーバード大学のサンダンスシアターで華々しく行われるのだが、イグ・ノーベル賞の受賞者だけではなく、ノーベル賞の受賞者も集まって、みんなでバカをやりながら楽しむ。研究の楽しみをみんなで分かち合うっていうイベント。それもイグ・ノーベル賞の魅力じゃないかなと。
【タイムテーブル】
00:09~ 子どもに興味を持たせるための工夫
04:48~ 学校だからできること
05:48~ イグ・ノーベル賞に関わったきっかけ
07:42~ イグ・ノーベル賞の魅力とは?
10:10~ 日本人が14年連続でイグ・ノーベル賞を受賞できた理由
企画・構成:山川淳平 田堂友香子
撮影:今井康一 佐々木仁
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