文科省「StuDX Style」、GIGA元年に対策続々 とにかく前進、優良事例や指導面の悩み発信

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つまり「1人1台端末」は目的を達成させる一手段、単なる通過点なのだ。この先にはBYODあるいは都道府県など学校設置者負担による高校での1人1台端末の環境整備、デジタル教科書・教材の普及促進、そして教育データを収集、効果的に利活用するためのLMS(Learning Management System)の導入、緊急時に学校や家庭でオンライン学習ができるCBT(Computer Based Testing)システム「MEXCBT(メクビット)」の開発・全国展開など、タイムライン上にはさまざまなタスクがのせられている。

すでに国公私立高校の1人1台化は、低所得世帯などの生徒が使用する端末について国が予算をつけて支援することが決定している。「高校は義務教育とは異なり、学びも普通科、専門学科、総合学科と非常に多様性があります。こうした特殊性に応じて学校設置者へ1人1台化に向けた努力を促しつつ、国としても義務教育段階での教育環境を高校で途切れさせないよう、小中高一気通貫でICT環境整備に取り組みたい」(今井氏)としている。

また、デジタル教科書については24年からの本格導入を目指し、3月17日に「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」が中間まとめを公表したが、今夏に最終報告が行われる見通しだ。

CBT化についても3月30日に8回目の「全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ」を開催。20年8月に出した同ワーキンググループの中間まとめを踏まえ、全国学力・学習状況調査のCBT化に向けて、21年度中に小中学校各50校、小学6年生と中学3年生の児童生徒約1万人を対象に小規模な試行・検証に取り組み、この結果に基づき22年度にネットワークやシステム等、技術的な要件などについて検討を重ねる計画だ。

教育のデジタル化を加速させるためには、省庁連携も不可欠になる。GIGAスクール構想は内閣官房IT総合戦略室、経済産業省、総務省、文科省が協働しながら進めてきた施策だが、環境整備がほぼ終了したこれからは、それぞれの省庁の強みを生かしながら利活用の促進を図る必要がある。9月1日にデジタル庁が発足し、国と地方の情報システムの共同化・集約などが進めば、教育データの利活用も一気に進む可能性が高まる。

「デジタル庁はこれまでの縦割りを排して、国全体のデジタル化を主導する役割を担っています。同庁が打ち出す方針・施策を踏まえ、文科省でも教育分野について具体的な議論を始めることになるので、デジタル庁とともに、われわれとしても今まで以上にしっかりと取り組みたい」と今井氏は文科省の確固たる決意を表している。

※都道府県、市区町村、一部事務組合を含む公立学校情報機器整備費補助金の対象である公立の義務教育段階の学校設置者

(写真は文科省提供)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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