百貨店、コロナ一服でも本格回復が程遠い事情 EC化を一層加速、外商客との商談はズームで

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そもそも百貨店は構造問題を抱えていた。取引先アパレルと築き上げた「消化仕入れ」(委託販売の一種で、商品が売れたときに仕入れを計上する仕組み)というビジネスモデルは、バブル崩壊以降にモノが売れなくなり、百貨店の売上高も徐々に萎んでいくと、通用しなくなった。

地方を中心に少子高齢化で消費不振に陥り、EC(ネット通販)も台頭。百貨店はこういった環境変化や消費者行動変化に対応できなくなり、革新的な手を打てずにいた。また、バブル期に抱えた多くの従業員も重いコストとしてのし掛かり、今や多くの百貨店の損益分岐点比率は90%を超えている。

大きく伸びたネット通販の売り上げ

百貨店に打つ手はないのだろうか。実はこのコロナ禍で、販売を拡大した分野がある。ECである。

三越伊勢丹はオンラインショップの6月売上高が前年同月比1.5倍に、化粧品専門のオンラインサイト「meeco(ミーコ)」も同2.5倍に拡大した。オンラインショップは全社売上高の5%にも満たないまだ小粒の事業だが、今後の伸び率は期待できる。

三越伊勢丹はこの6月にオンラインショップとアプリを刷新した。三越と伊勢丹のブランドごとにわかれていたオンラインショップを統合し、1つのウェブサイトの中でブランド情報やキャンペーン情報を閲覧できるようになった。

店頭で人気の商品を中心に約10万種類を展開するが、そのために数年前から伊勢丹新宿本店に隣接するパークシティ伊勢丹の1、2階を改装し、ささげ作業(商品をECサイトに掲載するための撮影、採寸、原稿書き)を進めていた。

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