2020年版の科学技術白書で2040年の日本の姿を未来予測 「動物と話しができるポータブル会話装置」も
白書では、2040年の未来予測として新たな社会「Society 5.0」が到来することを前提として、①Humanity「変わりゆく生き方」、②Inclusion「誰一人取り残さない」、③Sustainability「持続可能な日本」、④Curiosity「不滅の好奇心」の4つの価値をキーワードにして、「人間性の再興・再考による柔軟な社会」を提示。「Society 5.0」がさらに進化した2040年の社会のイメージとして、「有形(体や物など)」⇔「無形(精神やデータなど)」と「個人」⇔「社会」を掛け合わせ、現在進められているSDGsと照合させた具体的な科学技術トピックとスケジュールが紹介されている。
例えば、2028年に「大規模な地震災害時のリアルタイム被害把握・拡大予測システム」、2029年には「あらゆる言語を翻訳、通訳する即時自動翻訳」、2034年では「3Dプリントによる移植可能な臓器の製造」などの科学技術の社会的実現時期が示されている。ちなみに同年には「動物と話しができるポータブル会話装置」も実現するというのだから面白い。
実際、政府ではAIやIoTなどイノベーションと人間や社会のあり方が密接不可分となっていると認識しており、新たな政策を構築中だ。白書では、未来ビジョンに向けて研究開発を行う「ムーンショット型研究開発制度」やビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援する「センター・オブ・イノベーションプログラム」、また未来社会の実験場である2025年の大阪・関西万博、都市・地域の課題の解決を図るスマートシティの取り組み、水素社会の構築に向けた環境・エネルギー技術なども紹介している。
人口減少に伴い、ますます少子高齢化が進む日本だが、単に悲観しているわけではない。人口減少を前提に日本はどう変わっていけば持続可能な社会が実現できるのか。その課題解決のためのヒントを白書から見いだすことも可能だろう。(写真:iStock)
制作:東洋経済education × ICTコンテンツチーム
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