鉄道自殺防ぐ「ホームドア設置」は効果絶大だ 山手線23設置駅の人身事故は「ほぼゼロ」
9路線のうち4路線でホームドアの全駅設置を終えた東京メトロはどうだろうか。
同社は2014年2月までに、南北線、丸ノ内線、副都心線、有楽町線の4路線で、全駅のホームドア化を済ませている。ホームドア設置の翌年度以降に発生した自殺は、丸ノ内線の茗荷谷駅(2008年1月)と有楽町線の要町駅(2011年6月)の計2件があり、要町駅の1人が死亡した。
それでも、全駅設置前は4路線で計12件あったため、自殺件数は実に約83%減少したことになる。自殺を含めた人身事故も同様に、34件から2件に激減している。(※丸ノ内線の中野坂上〜中野新橋駅間で2009年5月に自殺が起きているが、駅間であるため集計からは除外した。なお両駅とも2004年5月にホームドア設置済み)
ホームドア設置で自殺が1割以下に激減
ホームドアがある駅は全国に665駅あることは冒頭で述べたが、このうち、今回の集計対象である2005年度以降にホームドアが設置されたのは390駅。この390駅で、2005年度から設置年度末までに発生した自殺は計190件あった。これが設置翌年度以降は15件に留まっており、およそ92%の自殺減少に結びついている。
自殺を含む人身事故全体でも、ホームドアの設置年度の前後で、計435件から28件に約94%の減少を実現していた。
件数で記述すると、命の話ではなくデータ化された数字の話に思えてくるかもしれない。そんなときは単位を「件」から「人」に置き換えて、冒頭からもう一度読んでみてほしい。
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