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なぜか損保会社敷地から高濃度PFAS…さいたま市に39年前まで立地していた研究所でPFOS開発、DIC「美術品」売却決定と同時並行で起きたこと

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DICは東洋経済の取材に対し、財団研究所で1968年から1986年まで、PFOS関連物質の開発研究が行われていたことを認めた。同社と財団研究所による共同研究も行われていた。

財団研究所は戦時中からこの地にあり、1966年に同社が資金提供し改名。理事長には2代目社長の川村勝巳氏が就いている。

全国で最も高い大阪府摂津市に並ぶ値

日本ではPFOS・PFOAについて2020年に、水道水と河川、地下水の暫定的なメルクマールを50ng/L以下と設定。自治体や水道事業者が水質調査を行ってきた。

各地の調査で相次いで50ng/Lを超え、特に問題になったのが水道水からの検出だ。2020〜2023年度に全国14カ所で50ng/Lを超えた。水源の変更などにより2024年度の調査では50ng/L超の地点はなかったが、2021〜2023年度に1000ng/L超と最も値が高かった岡山県吉備中央町では、町が町民の血中濃度検査を行っている。

環境省は今年6月末、PFOS・PFOAの合算値を水道法上の水質基準に位置付け、50ng/Lの基準値を超えた場合には改善を義務付けた。来年4月に施行される。河川や地下水についても50ng/Lを指針値とした。

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