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トランプ再選で恐れるべき独裁への現実シナリオ 民主制でも独裁は可能という現実

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ネバダ州で選挙イベント中のドナルド・トランプ元米国大統領
選挙イベント中のドナルド・トランプ元米国大統領(写真:Ian Maule/Bloomberg)

2016年の米大統領選挙にトランプ氏が勝つと、多くの識者は民主主義の世界的崩壊を予測し、内戦の警告も聞かれた。だがアフリカを別にすれば軍事クーデターはまれで、内戦はさらに珍しい。民主主義はそうしたものではなく、民間クーデターを通じて崩壊する傾向にあるものなのだ。

冷戦後の民間クーデターには3つのタイプがあり、うち2つはメディアから多大な関心を引きつけている。しかし、私たちが最も懸念しなければならないもう1つのタイプ、トランプ氏が大統領に返り咲く危険が迫っている中でとりわけ憂慮しなければならないタイプのものは、そうなっていない。

民間クーデター3つのタイプ

民主主義後退の第1モデルを代表するのが、ハンガリーのオルバン首相だ。10年に政権復帰した同氏とその政党「フィデス」は過酷なメディア法を通過させ、全主要メディアを操って移民やLGBT(性的少数者)活動家への恐怖心をあおり、オルバン氏を国家の救世主と位置づけた。フィデスは議会で圧倒的多数を確実なものとするため選挙法を書き換えてもいる。このモデルは暴力ではなく、印象操作や政治プロセスを通じて「抑制と均衡」(いわゆる三権分立)を解体する能力に依存する。

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