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政府の下僕となる中央銀行、物価高騰の陰に忖度 物価上昇率は中央銀行の目標を上回る状態

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(写真:2021 Bloomberg Finance LP)

2021年4〜6月期以降、英米とユーロ圏の物価上昇率は各中央銀行が目標とする2%をはるかに上回る状態が続いている。その理由としては、新型コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、英イングランド銀行・米連邦準備制度理事会(FRB)・欧州中央銀行(ECB)による再三の判断ミスが挙げられることが多い。

だが、金融政策が財政に支配される「財政従属(フィスカル ドミナンス)」が高インフレをもたらしているという別の説明も成り立つ。主要な中央銀行は、それが「物価の安定」という自らの責務に反する可能性が高く、金融システムの安定維持に必ずしもつながらないことを知りながら、政府の拡張的な財政政策を支えるために低金利政策と資産買い入れプログラムを積極的に推し進めている、とする見方である。

とりわけ債務の持続可能性に問題を抱えた国々に対処しなければならないECBには、これがよく当てはまる。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインはどこも財政が脆弱だ。フランス、ベルギー、キプロスも、景気が再び後退期に入ったり、国債利回りが過去10年に及ぶ異例の低さから正常化したり、各国の信用リスクがより現実的な水準で市場に織り込まれたりするようになれば、国家の資金繰りが難しくなるおそれがある。

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