債券相場は底打ち近いとウォール街のムード転換 成長懸念がインフレ予想を上回り国債の追い風に

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先進国の株式市場とクレジット市場は今月に入り下落に見舞われ、景気動向に敏感な部分が特に売りを浴びる一方、安全資産と見なされる米国債には2020年3月以来の大幅資金流入があった。他方、欧州中央銀行(ECB)の引き締めが始まるのはこれからである点を考えると、このところ急伸しているドイツ国債相場は相対的に脆弱(ぜいじゃく)と言えそうだ。

成長懸念がインフレ予想を上回り国債の追い風に

それでも、シティグループのストラテジストの場合のように、成長懸念の方が高インフレ予想よりも優勢だとして、当面は独国債売却の動きが反転するとの予想もある。

BNYメロン・インベストメント・マネジメントの債券マネジャー、ハワード・カニンガム氏は「政府債はリスク相殺の機能を果たし始めることができる」とし、「利回り上昇が反転するとは見込んでいないが、こうした役割を果たし始めることは可能だ。時には株式と負の相関関係となる」と語った。

ブルームバーグの指数によれば、米政府債相場は年初から12日までの時点で既に8.4%下げ、少なくとも50年ぶりの2年連続下落の方向にある。世界的な指標も12%下げている。ただ、米10年債利回りは5月9日に3.20%と18年以来の高水準を付けて以降、約30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下している。

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