ソファの黒船「ヨギボー」買収した日本企業の勝算 大阪の代理店が独自戦略を引っ提げ世界と勝負
国内代理店が、米本社を買収する――。1991年のセブンイレブンジャパンによるアメリカ本社の買収劇を想起させるM&Aが、「人をダメにするビーズソファ」産業で勃発した。
「人をダメにするビーズソファの黒船」の船頭に、まさかのプレイヤーが名乗りを上げた。
2021年12月30日、国内でビーズソファ「Yogibo(ヨギボー)」の販売代理店を務めるウェブシャーク社(大阪府)が、製造元であるアメリカのヨギボー本社を買収した。
ヨギボーとは、布製カバーの内部に発泡ビーズを充填したソファのブランドの1つ。座ると内部のビーズが体に合わせて動き、高い密着度で快適に座れるのが特徴だ。2009年の創業以来、ヨギボー社の製品は北米やアジア、ヨーロッパで展開されている。
大勝負に透ける強い野心
国内の一般的なビーズソファブランドの価格帯が1万円程度なのに対し、ヨギボーの代表的な製品は3万円程度と強気の値付けも特色だ。日本における同ブランド製品の累計販売額は、国内のビーズソファ人気に火を付けた「無印良品」の商品を上回るとみられる。
一方、ウェブシャークは2014年に日本におけるヨギボーの販売ライセンスを取得し、全国86店舗(昨年12月時点)とEC(ネット通販)で展開。今回、世界的なデザイン統一によるブランドイメージの維持・向上などを目的として、100億円超での買収に踏み切った。
海外ブランドの販売ライセンスをもつ国内代理店が、本社を買収する――。“子が親を飲み込む”M&A(合併・買収)といえば、1991年のセブンイレブンジャパンによるアメリカのセブンイレブン本社(当時のサウスランド・コーポレーション)買収が思い出される。
今回のヨギボー買収劇は、約600億円で取り引きされたセブンイレブンの案件に規模こそ劣るが、総資産102億円(2021年7月時点)のウェブシャークにとっては大勝負といえる。決断の背景に透けるのが、異色の成り立ちの同社が秘めた「グローバル化」への強い野心だ。
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