筆頭株主の議決権行使を認めない株主総会は5時間近くに及んだ。
東京機械製作所が同社の支配権をめぐり、アジア開発キャピタル(ADC)と壮絶なバトルを繰り広げている。
東京機械は東証1部上場の輪転機メーカー。1888年に農機具工場の払い下げを受けて創業。輪転機では国内最古で、三菱重工業と国内シェアを二分する。
一方のADCは東証2部上場の投資会社。1952年設立の倉庫会社が起源で、香港上場の不動産大手・新鴻基(サンフンカイ)グループが筆頭株主だ。
ADCは現在、東京機械株の4割近くを保有する筆頭株主だ。今年3月下旬から、子会社と共同で東京機械株を市場で買い集めた。7月中旬に8%強保有で大量保有報告書を初めて提出。損害保険ジャパンを抜いて筆頭株主に躍り出た。その後も買い増し、同月末までには3割を超えた。
ADCのアンセム・ウォン社長(36)によれば、「あらかじめ設定した条件に合えば買うアルゴリズム取引を繰り返した結果だった」。
突然現れた筆頭株主に東京機械の都並清史社長(62)は「企業価値を毀損しかねないのでは」と危機感を募らせた。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら