台湾がTPP加盟を申請 中国の申請先行で深まる苦悩
台湾内部でも申請のタイミングをめぐり意見が割れている。
台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請が9月22日に明らかになった。台湾は経済・貿易面での発展や国際社会での地位向上のために、馬英九前政権だった2011年時点でTPP参加に意欲を示し、現在の蔡英文総統も16年の就任時から加盟を目指してきた。
一方で前週の16日に中国もTPPへの加盟申請を発表した。台湾の通商交渉担当閣僚の鄧振中・政務委員は申請時期について「最善の時期だと考えたためで、中国の動きは関係ない」と主張。ただTPPへの加盟は参加国すべての同意が必要であり、「中国はつねに台湾が国際社会と連携するのを阻もうとしてきた。もし中国が先にTPPに加盟すれば、台湾はTPP参加で不利になることが予想される」(鄧氏)と警戒する。
実際、台湾を自国の一部とする中国は猛反発している。中国外交部は、「台湾がいかなる公的な性質を帯びた協定や組織に参加することにも断固反対する」(趙立堅・副報道局長)と表明。9月23日には中国の戦闘機など24機が台湾の防空識別圏に侵入した。
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