アース製薬「脱・虫ケア」の大胆戦略 トップが明かす危機感

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背景には国内殺虫剤市場の構造変化への危機感がある。

アース製薬の川端克宜社長は「虫ケアはいつやめてもいい」と語る(撮影:梅谷秀司)

「虫ケアにしがみつくことはない。いつやめてもいい」

主力製品である殺虫剤・防虫剤の販売終了の可能性を口にするのは、アース製薬の川端克宜社長だ。「アースノーマット」や「ごきぶりホイホイ」などのブランドを有する同社は、年間売上高1300億円の殺虫剤市場でシェア5割を超える業界最大手だ。

冒頭の発言について、川端社長は「私が入社した1994年は国内市場向け殺虫剤の売上高構成比が9割以上で、国内殺虫剤の一本やりだった。それが今はグループ連結売上高で3割。乱暴な言い方をすると、30年後は売っているかわからない」と説明する。

殺虫剤大手各社の2020年度業績は、コロナ禍で在宅時間が延び、換気の機会も増えて絶好調だった。アース製薬の20年12月期は営業利益114億円で、最高益を記録。業界3位のフマキラーも、21年3月期は過去最高益を更新する見込みだ。

順風満帆の中、川端社長が「利益の柱」と認める商品の販売をいつやめてもいいと言い放つのはなぜか。背景には、国内殺虫剤市場を取り巻く構造変化に対する危機感がある。

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